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嫌になる事がある
胸糞悪くなるような事だ
体中のありとあらゆる感覚を消しカスのように散りばめて、それを体中に塗りたくったような気分になる
そう、たとえば
雨の降る月曜日とか
頭のネジとその中身をどっかのゴミ箱の中に放り込んできたような奴とか
そーいうものは概して避けがたいものであり、湿気た髪の毛のようにベタつく
想像してほしい
目が覚める。すこし肌寒い朝だ。布団がとても魅力的なモノに変わる。口元まで引っ張り上げてみる。でも、いつまでもそうしては居られない。布団を取っ払い、起き上がる。背伸びするのもいい。
髪を梳かし、寝癖を撫でつけ、着替えると、そそくさと朝食を済ませ、手早く歯を磨き、上着を着て、バッグを背負う。
靴を履き、玄関のドアを押し開ける。
雨。
荷物が重たくなるんだ。こう、子泣きジジイでも背負ってるみたいにさ
湿気た泥のような空気と散弾のような雨にすっかりうんざりしちゃう
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そんなことが週の始めにあると、その一週間は一気につまらないものに変貌を遂げる
つまらなく、不毛で、無意味だ
その変化は素晴らしく見事なもんだ
舌打ちなんてしてしまう
どっかの壁とハイタッチでも交わしたくなる
肩からぶら下がるジジイを線路の上にでもトスしてやりたくなる
だけどそんなことするはずもないし僕にはできるはずもない
ただじっっと身をひそめて待つだけだ
ただただ耐えるんだ
そのうち、…トタン屋根の猫みたいに…、こう、カチリ、と音を立ててスイッチが入る
入れ替わるんだ
すべてのことが楽になる
辛いことなんて一切なくなる
僕はそれが一番の楽しみだ。
頭の中でカチリと音がする
そしたら何もかも上手くいく