覚書



「影と、文房具」の覚書みたいなもんです。
自分が忘れないうちに、何考えて書いたのかとか何をしようとしてたのかってのを書き留めておく、、、
まあ自己満足です。


最近忘れるってのがすごく怖いんで。
「忘れる事は大した意味の無いことだ」っていくらごまかしても、自分にはどうもそんなふうに割り切れそうも無いです。






受験生の話。
僕は、何事にも中途半端な僕は、やっぱり勉強も中途半端で、そんな自分にクサってる。
そうやって、自己否定に走って、本当の問題から逃げてる。
「僕はなんてダメなんだろう」って言って、「僕はダメだからできないんだ」ってことにして立ち向かって無いだけ。
受験ってものがよく分からなくなってて、僕はそれを考えすぎたせいだって思ってるけど、そうじゃない。
あまりにも逃げすぎて、自分が立ち向かわなきゃいけない問題を見失ってるだけ。

そうしてグチャグチャになった僕はよくわからない、つかめないぼんやりとした気持ちのまま、おぼろげな陽の下で本を読んでいる。
友達の言う「よくわからない本」を読んでる。
よく分からない気持ちを手の上でもてあましてる。
手放すのが怖くて、僕はその気持ちを何度も掴みなおす。
それはまるで影みたいにつかみ所のないものだけど、同時に、岩みたいに凝り固まって動こうとしない気持ちでもある。
少なくとも、僕自身にはどうにもこうにも動かせない。
だけど、友達には簡単に、いとも簡単に動かされてしまう。
すこし現実をちらつかされ、説得された程度で、僕はなんでも出来るような気持ちになってしまう。
それまでつかみ所の無かった気持ちが、まるで影が形を持ったかのように、はっきりと固形化していく。
僕は本を手放して文房具を買いにいく。それは意味を持つものだ。
本だって十分意味を持つけど、それは今の僕には全く必要の無いものだ。

だけど、僕は多分また逃げ出すだろう。こんどは文房具を握って逃げるだろう。僕の意志は弱い。とんでもなく弱い。他人に触れられただけでポキリと折れ曲がってしまう。柔軟さを欠いた植物の茎みたいだ。
それまでおぼろげだった気持ちが、輪郭をもっただけだ。
「僕は何をしてたんだ?」
「受験から逃げてるんだ」
僕はいつかそうはっきりと答えるだろう。
そしてまた逃げ出すんだ。