非日常な日常

僕は中学・高校時代、涼宮ハルヒの憂鬱っていうアニメにハマっていたんだけど、
なにが好きだったかっていうと、やっぱりあのアニメ全体に漂う「日常のすばらしさ」だと思う。今となってはね。

アニメ自体はひたすら非日常で、それをヒロインが直情的に追い求めてるんだけど、それをはたから見ている主人公がいて。
彼はもちろん日常の中の、いわば僕らの側のキャラクターなわけで、だから突拍子もない非日常におののいてしまうし、同時にどこか楽しんでしまう。
けれど、それは楽しいのだけれど、そうだからこそやはり「日常」の暖かさというか、安心感というか、「いつものままでいてくれる」っていうすばらしさをひしひしと実感させてくれるアニメでした。

魔球を投げれたからといって甲子園にいったりはしないし、超巨大なカマドウマと闘うことになっても主人公は見てるだけだし。
あくまで根底にはしっかり日常があって、必ずそこに帰ってくる。


いま思えば、このことはキョンが最終話でハルヒに話してましたね。「なんだかんだいって俺はあの日々が楽しかったのだ」って。


その中でも僕がとりわけ好きだったのが「いつもの風景」っていうBGMでした。
曲はそれこそ単調なリズムで、てくてく歩きながら流れていく風景を眺めているような曲調。それでいてどこか安心させてくれるような、「日常」って感じ。

この曲を聴くとまたあの日常に、非日常が潜むハルヒの世界に潜り込みたくなってしまう。
「あの頃は楽しかった」なんて思うもんじゃないと思ってますけど、でもあのハルヒの世界に浸っていた頃は楽しかったですね。



あゆせ